ここでは、先日の私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアクラスでの話題から拾ってみたいと思います。
多くの日本人は「残業」のことを"overwork"だと思っているようですが、それは正しくありません。"overwork"というのは「過労(過度の労働)・過密労働」という意味で、規定就業時間内に仕事が終わる場合でもありうる事です。「残業」は時間外労働のことですから、"overtime"と言います。動詞には"work"や"do"を使うのが一般的です。
◆I have to work overtime today. (私は今日残業をしなければならない。)
◆He worked overtime about 3 hours. (彼は約3時間残業をした。)
「吉祥寺MCS英会話スクール」のとあるシニアの生徒様は、ご子息の話題の中で「ブラック企業」という語を使っていらっしゃったのですが、これも"black company"という言い方では通じないようです。これは全くの和製英語ですから、ネイティブの人は「もしかして黒人の会社ってこと?」と、あらぬ誤解を招きかねません。ですからあえて言うなら、"dishonest company"(不正直な会社)とか"wicked company"(邪悪で道徳心のない会社)といった言い方になるでしょうか?
ただその後に何らかの説明的な語句を添えた方がいいと思います。例えば・・・
◆Our company is a wicked company. Because they make us work long time but don't pay for overtime.
(ウチの会社はブラック企業だ。なぜなら、僕達を長い時間働かせて、なのに残業代を払わないんだから。)
ついでに「サービス残業」の言い方も紹介しておきましょう。これももちろん"service-overtime"ではいけません。あえて言うなら"work overtime without pay"とか"unpaid overtime"といったところでしょう。
◆"My boss made me work overtime without pay." (私の上司は私にサービス残業させた。)
最近は「働き方改革」がよく言われるようになって、こういった事もかなり減ってきていると思いますが、まだあるところにはあるのでしょうか?先日乗った電車で、若いOLが話しているのを漏れ聞いてしまいました。
「きのうサビザン2時間だよ。メッチャ腹立つ!」
近頃では「サービス残業」も「サビザン」になってしまったようです。(苦笑)
〈イラスト出典:アイキャッチャー〉