今回は、いよいよ《現在完了形》のお話をさせて頂こうと思います。

 《現在完了形》は私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様だけに限らず、英会話を勉強するすべての日本人にとって「英語の鬼門」とも言うべきやっかいな存在です。その理由は、訳した時に《過去形》と同じようになってしまって区別が付きにくいからです。

 ここからは、《現在完了形》《過去形》とどのように違うのか?についてお話ししてみます。

まず《現在完了形》のスタイルを確認しておきましょう。それは "have(has)+動詞の過去分詞形" の形になります。

 〔なお、過去分詞形は過去形と同じ形になる場合がほとんどです。

◆最初の例文を書きます。

① I lost hope./② I have lost hope. "lose(なくす・失う)"の過去形は"lost"、過去分詞形も"lost"で同じ】

 ①も②も日本語にすると「私は希望をなくした」ですが、①は「その時に希望をなくした」だけで、今は希望を取り戻している可能性がありますしかし②は「その時希望をなくして、今もなくしたままだ」という意味になります。ですから②の方は「私は希望をなくしてしまっている」と訳した方が厳密です。

◆疑問文と否定文でも比較してみましょう。

③ Did you lose hope?/④ Have you lost hope?

⑤ I didn't lose hope. /⑥ I haven't lost hope.

 ③は「希望を(その時)なくしましたか?」、④は「希望を(今も)なくしてしまっていますか?」となり、

 ⑤は「希望を(その時)なくさなかった」、⑥は「希望を(今も)なくしていない」となるわけです。

 日本語では、いちいち「その時」とか「今も」とか「してしまっている」などの語句は通常入れませんので、結果として《過去形》と区別しにくくなってしまうのです。

 まとめると、「過去形は過去のある時点で起きたことを言うだけで、現在のことはお構いなし」なのに対して、「現在完了形は過去のある時点で起きたことが今もなお続いている」時に使うということになります。ですから、②④⑥の文には"last year(去年)"とか"5 years ago(5年前に)"とか"at that time(その時)"のような「過去の一時点を示す言葉」を合体させることはできません。なぜなら「今もなお」のニュアンスと矛盾するからです。

もっともホンネの話をしますと、例えば、困った顔で"I lost my wallet.(私は財布をなくした)"といった時に、相手は「現在完了形でなく過去形で言ったのだから、もう財布は見つかったのだろうな・・・」などと勘ぐる人はまれです。ほとんどの人は「多分まだ見つかっていないのだろうな・・・」と解釈するでしょう。そして"Oh, that's too bad.(それは大変だね)"なり、"I'm sorry to hear that.(それを聞いて気の毒に思うよ)"なりの言葉をかけてくれるでしょう。私達が《現在完了形》をうまく使えなくても会話できるのは、このようにネイティブの人が「忖度」して解釈してくれるからなのです。

 さて、そうは言っても、英会話を勉強する以上は「使えなくてもサイアク何とかなる」と甘んじていては残念ですね。そこでこれから以後3回に渡って現在完了形をマスターするためのお話しを展開していきたいと思います。理解を助けてくれるのは「現在完了形と一緒に使うキイワード」の存在です。もったいぶって申し訳ありませんが、「次回に続く」とさせて頂きます。


A: I lost my credit-card.

(クレジットカードをなくしちゃったんだ。)

B: That's too bad. Have you found it?

(そりゃ大変だ。見つかったの?)

A: Yes. It was under my driver's seat.

(ウン。僕の運転席の下にあったよ。)

B: Good.

(よかったね。)


 

A: I have lost my credit-card.

(クレジットカードをなくしちゃったんだ。)

B: That's too bad. Have you canceled it?

(そりゃ大変だ。無効にしたの?)

A: No, I haven't canceled it yet. It may come up soon.

(いや、まだ無効にしていないよ。じきに出てくるかもしれないし。)

B: No! You should do it at once.

(だめだよ!すぐにやるべきだよ。)


◆下の会話では「もう見つかったの?」という質問は不要ですね。

"cancel"は「無効にする」という意味に使えます。"soon"は「すぐに」と訳すのは間違いで、「もうすぐ・まもなく」程度の意味です。

「ただちに」という意味の「すぐに」は"at once""right away""immediately"を使って下さい。

 

「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様が、いよいよ海外旅行に出かけ始め、私は大変喜ばしく感じています。また国内旅行の旅先で、外国人旅行者とカタコトの会話を交わしたという方もいらっしゃいます。

 スマホが幅をきかしているとは言っても、やっぱりナマの会話にまさる醍醐味はありませんね。

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