私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様からよく聞かれる質問として、「どうぞよろしくは英語で何というのですか?」があります。
以前にも書いたかもしれませんが、今日はもう一度その話を取り上げさせていただきます。
まず、日本語の「よろしく」には2つの意味・使い方がありますね。
(1)ヤマダさんによろしく(お伝え下さい)。
(2)ヤマダと申します。どうぞよろしく(お願いします)。
(1)の方は英語にもあって
◆Please say hello to Mr. Yamada. (カジュアルな言い方。会話などで使う。)
◆Please give my (best) regards to Mr. Yamada. (フォーマルな言い方。手紙などで使う。)
のように言います。【"regard"は「敬意」という意味です。】
問題は(2)の方です。おそらく皆さんはこっちの方を英語で言いたいのだと思いますが、これは英語には存在しません。「よろしく」は漢字で「宜しく」と書くように、突き詰めれば「便宜を図る」という意味です。もちろん私たち日本人はそんな深い意味を込めずに形式的に使っていますが、文化の全く異なる外国人に向かって「どうぞ私に便宜を図って下さい」と言うと、人格を疑われてしまうわけです。
本来の意味を意識せずに日常的に使っている言葉を英語に訳す時には、このように注意が必要ですね。
ですから(2)は、このように言うしかないわけです。
◆My name is Yamada. /I am Yamada. Nice to meet you.
でも、どうしても「私に便宜を図って下さい」と言いたいのなら、こうなります。
◆Please accommodate me. (私に便宜を図って下さい/お引き立て下さい。)