英会話のレッスンをしていると「和製英語」による誤解を実感することがよくありますが、その中でも特にシニア層に顕著なのが"location"という言葉です。"location"は〔名詞〕で「位置・位置づけ・立地・場所」という意味ですが、それを「眺め・景色」という意味に解釈しているシニアが結構いらっしゃいます。

 これは私の憶測ですが、どうやらシニアの皆さんは不動産会社や観光パンフレットの売り文句に影響されているような気がします。例えば「ベランダから東京湾が一望できる素晴らしいロケーション」、「各部屋から富士山が見える絶好のロケーション」などと書いてある広告を目にすることがありますね。そこからイメージ的に「眺めが良い」と勘違いしてしまうのではないでしょうか。確かにそのような「眺めが良い場所」にその施設が「位置している」わけですから間違った言い方ではないのですが、「ロケーションが良い」イコール「眺めが良い」だと思うのは危険です。(もしかしたら、業者側の方にも勘違いしている人がいるかもしれませんが。)

 「眺め・景色」を表す言葉は"view"です。 ◆例文を紹介します。

① You can get a wonderful view from the balcony. (ベランダから素晴らしい眺望が得られます。)

② We had a panorama-view of the Tokyo Bay. (私たちは東京湾を一望した。)

※このように"view"には"have""get"が一緒に使われる事が多いです。

また、日本人のイメージする「ベランダ」は、英語では"balcony"がふさわしいと思います。

"panorama"は「全貌・広々とした眺め」と言う意味で、"-view"無しでもOKです。

"location"の例文も紹介しましょう。

③ The house is in a convenient location near the station. (その家は駅チカの便利な場所〔立地〕にある。)

④ Our hotel has a wonderful location by the lake (私どものホテルは湖のほとりの絶好の場所〔位置〕にあります。)

 いかがでしょうか。シニアの方もシニアでない方も、もう一度"location"について考え直してみて下さい。

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