今回は、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様から非常に多く質問が寄せられる、「"have to" と "must"」のお話しをさせて頂きます。どちらも「~しなければならない」という意味で使われますが、厳密な違いは何なのか?を説明したいと思います。
(1)must は have to よりも強い【主に主語が"I"や"We"の場合】
① I must study English. (私は〔絶対に〕英語を勉強しなければならない。)
② I have to study English. (私は英語を勉強しなければならない。/必要・義務がある。)
(2)must は話し手の意志・強制を表し、have to は主体的な必要性や客観的な義務を表す【主に主語が"You"や"He/She"や"They"などの場合】
③ You must study English. (あなたは〔絶対に〕英語を勉強しなければいけませんよ。)
④ You have to study English. (あなたは英語を勉強しなければならない。/必要・義務がある。)
◆ここでわかりやすく説明させて頂きます。
"have to ~"の起源は、"have"が使われていることからもわかるように「~する事を持っている」です。つまり「~する必要性・義務を持っている」ということなのです。それに対して"must ~"は「~する以外の選択肢はない」という鬼気迫るニュアンスがあります。
ですから③のように"You must ~"と言った場合には、「あなたは~しなくてはいけませんよ。いいですね!」といった〔こちらから相手に強制する〕ニュアンスを含みます。なので"You must ~"は相手にプレッシャーを与え、使う時に気をつけなくてはいけない表現です。
そういえば、コロナの感染が拡大してイギリスがロックダウンを決めた時に、当時のジョンソン首相がテレビで"You must stay home!"と言っていたのを思い出します。あの切羽つまった状況では"You have to stay home."ではダメだったわけですね。このように"You must ~"は規則や法令などによく使われます。
◎そしてこの"must"の「~する以外の選択肢はない」というニュアンスからは、「~に違いない」という意味も出てきます。
⑤ He must be rich./It must be expensive. (彼は金持ちに違いない。/それは高いに決まっている。)
※この「違いない」の意味で使われる時は、ほとんどの場合「~である」の"be"が使われますので、"must be"というようにセットにして覚えてもいいかもしれません。
★最後に私のホンネを言わせて頂きます。
私は「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様には、《「~しなければならない」と言いたい時は"must"は忘れて"have to"一辺倒で良い》とアドバイスしています。なぜなら"must"は過去や未来には使えないのに対して、"have to"は"had to"や"will have to"にすることによって対応できるからです。
⑥ I had to get up early this morning. (今朝は早起きしなくてはならなかった。)
⑦ You will have to change the plan. (計画を変更しなくてはならなくなるだろう。)
◇なお、"must"と"have to"を疑問文・否定文で使う場合の話や、"must"のユニークな使い方についての例は、次回お話しさせて頂きたいと思います。
D: I really worry about your liver.
(私はあなたの肝臓のことが本当に心配です。)
P: Oh, should I cut down drinking?
(えぇっ、私はお酒を減らすべきでしょうか?)
D: Of course! You must stop drinking!
Or you will have to enter a hospital.
(もちろんです!絶対に禁酒しなくてはいけませんよ!
でないと、入院しなくてはならなくなりますよ。)
P: Oh no. You must be joking, Doctor.
(オーノー。冗談でしょ、先生。)
D: No. I'm so serious.
(いいえ、私は極めて真剣です。)
"liver"は「レバーつまり肝臓」、"cut down"は「減らす」という意味です。" You must be joking."は、正確には「あなたは冗談を言っているに違いない/冗談を言っているに決まっている」という意味で、よく使われる表現です。
日に日に春めいてきました。この分だと今年は桜の花がかなり早く咲きそうですね。春は心機一転、スタートの季節です。シニアの皆さま、何か新しいチャレンジを始めてみましょう。その選択肢の中に「脳のリフレッシュのための英会話」はいかがですか? 吉祥寺MCS英会話スクールでは《はじめて習う方のための入門・初心者クラス》を開講します。