NHKの朝ドラ「Come, Come, Everybody」がシニア世代に大人気です。私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様もほとんどがご覧になっていて、レッスン中に話題になっています。
これは、好きになった男性の影響でヒロインがNHKのラジオ英会話講座を聴き始め、その英語との出会いが彼女の人生に変転と彩りを加えていくというドラマですが、戦前・戦後の時代風景もシニアにとっては懐かしさを誘うのでしょう。(さらに物語はヒロインの娘から孫へと受け継がれていく100年スパンの長大なものになっていくようですが、今の段階では先のことは見通せません。)
さて、この「Come, Come, Everybody」ですが、昭和21年2月1日から昭和26年2月9日にかけてNHKラジオで放送された語学番組「英語会話」の主題歌のタイトルです。童謡「証誠寺の狸囃子」の替え歌であるこの歌は、またたく間に国民の間に浸透して、ただの主題歌ではなく番組そのものが「カムカム英語」と呼ばれるようになりました。
その放送を担当していたのは平川唯一さん。ABCも知らずに16歳でアメリカに渡り、働きながら苦学して英会話をマスター。帰国後(戦前)に英語放送アナウンサーになって、戦後まで15年間ラジオの英会話講座に携わりました。その後も自宅で「カムカムクラブ」という英会話教室を開いたり、英会話のテキストを出版したりと、まさに英語教育に生涯を捧げた波瀾万丈の人生を送られました。そう、彼こそが日本で初めての英語ブームを巻き起こした人物なのです。
この「カムカム英語」を当時リアルタイムで聞いていた方が、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」には10名以上いらっしゃいます。そして驚くことに、先日のレッスンで、娘さんを平川唯一さんが世田谷で主宰する「カムカムクラブ」に通わせていたという方までいらっしゃった事も判明しました。私は感動してしまいました。
この朝ドラが、コロナで眠らされていたシニアの英会話熱を呼び覚ましてくれるといいのですが。