先日、アメリカ人の友人(女性)と会話していたときのことです。彼女いわく、「初めて日本のデパートに行った時、傘売り場で沢山の傘が開いたまま陳列されているのを見てビックリした!」と。その時に、かなり以前にイギリス人の友人(男性)からも同じ事を言われた事を思い出しました。どうやら英語圏では、「屋内で傘を開くと不幸を招く」("Opening an umbrella inside brings bad luck.")という迷信があるようです。

 「迷信」は英語で"superstition"と言います。他にも、「ハシゴの下をくぐるのは不吉("Walking under a ladder brings bad luck.")」とか「黒猫が前を横切ると不吉("A black cat crossing your path brings bad luck.")」などの迷信を聞いた事はありますが、この「傘の迷信」はかなり有名なもので、あちらの国々では強烈に信じられているらしいです。ホームステイ先で部屋の中に傘を干していて、家の人にすごく強く叱られた・・・なんていう話もあるみたいですね。

 すかさず私は、"Why?  What is the source of it?"(「なぜ?その由来(出所)は何?」)と聞いてみましたが、彼女の答えは、"I don't know."というつれないものでした。彼女の話の続きも紹介しますと、「アメリカでは傘を買う時に、絶対に開いてデザインや柄をチェックしたりできないわ。そのかわり、傘売り場には沢山の写真が置いてあって、みんなそれを見て開いた時のイメージをつかむのよ。」と。なるほど。今度英語圏に旅行した時には、絶対に傘売り場をチェックしてこようと決めました。

 ただ、ネット等の情報によれば、《太陽神を侮辱することになるから》という古代エジプトに由来するという説や、《尖っていて危ないから》という単純な説等々色々あるようで、明確な理由や由来はわからないのだそうです。また、英語圏に限らず、フランスやイタリアなどでも有名な迷信になっているとも書いてありました。

 確かに、外国の人から日本の迷信、例えば「火遊びをするとオネショをする」とか「夜爪を切ると親の死に目に会えない」の理由を聞かれたら、私達だって"I don't know."としか答えられないですよね。理由がわからないから「迷信」なんだな!と変に納得した次第でもありました。