数年前まで、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様たちにとってさほどなじみがなかったのが、動詞の"respect"「尊敬する」という意味のこの動詞は、昨今のテレビ等の影響で一気に有名になりましたね。そういえば、全豪オープンテニスで見事日本人初の優勝を果たした大阪なおみ選手も、インタビューで使っていた記憶があります。

 一方、ここ最近で急に耳にする事が多くなったのが、「ディスる」という言葉です。私も正直最初は何の事だかわかりませんでした。英語の接頭語である"dis"は、元の言葉の前に付けて、それを否定したり反対の意味を持たせたりする用途に使われますが、どうやらこれは"disrespect"の省略語だという事が判明しました。意味は「尊敬する」の反対ですから、「侮辱する・無礼を働く」という意味になるでしょう。

 最初にこの「ディスる」を若手芸能人が使っているのを聞いた時、私は「また、おかしな略語を使って!こういうのが流行すると、キチンと英語を勉強しようとしている人にとっては迷惑だなぁ・・・」と思ったのですが、改めて辞書を調べてみるとビックリ!なんと、〔アメリカの俗語〕とは書かれているものの、れっきとした"dis"という動詞として載っていたのです。そこには「~を軽蔑する・非難する」という意味が書かれていて、【"disrespect"の短縮形】と説明も付いていました。ちなみに、過去形・過去分詞形は"dissed"です。(念のため20年くらい前に出版された辞書も見てみましたが、ちゃんと載っていました。)

 ネット情報によれば、発祥はアメリカのヒップポップ音楽の黒人ミュージシャンらが使い始めた事だそうですが、結構以前から辞書に載るような、歴史の長い動詞だったとは全く想像していませんでした。日本の若者が安直に使い始めた言葉ではなかったわけです。

 もっとも、シニアの方々には「ディスる」も、英語の"dis"も使って頂きたくはありませんが。

 話は全然別になりますが、「大阪なおみ選手、優勝おめでとうございます!」

 私たちこそ、あなたを心から「リスペクト」します!