久しぶりの「シニアのための横文字言葉講座」です。
先週末、久しぶりに学生時代の友達連中と会って、吉祥寺で飲み会をしました。中には、大企業の重役や支店長クラスの奴もいて(私の年齢がバレてしまいますが)、彼等の話は私のような会社勤めをしていない(というか、続かなかった?)人間には、非常に興味深いものです。
今回の話題の中で頻繁に出てきた言葉が「コンプライアンス」でした。英語で書くと"compliance"で、「(法令や規則などを)遵守すること」という意味の名詞です。(ちなみに動詞は"comply"です。)この言葉は10年くらい前からよく耳にするようになりましたが、それにはこんな背景があるのです。企業の起こした不祥事によってその企業が大きなダメージを受けるというのはよくある話ですが、その程度や規模や頻度が一気に拡大したのがここ10年間ぐらいで、各企業はそれを防ぐために社員に法律や規律を守らせることに真剣に取り組むようになったわけです。〔例えば食品偽装とか、建築物のデータ偽装・手抜き工事とか、自動車のリコール問題とか、ブラックバイトの問題とかが立て続けに起きましたよね。〕
本来は幅の広い一般的な言葉だったのですが、今では「コンプライアンス」といえば、ほとんどが企業がビジネスのために使っている言葉だと思っていいでしょう。別の言葉で置き換えるとすれば「企業が信用やイメージを傷つけないように規則やモラルを守ること」となるのでしょうか。ですから「コンプライアンスを徹底する」や「コンプライアンス体制を強化する」は正しい使い方ですが、「コンプライアンスを守る」や「コンプライアンスに違反する」は正しい使い方ではありません。
この言葉を調べてみて、私も良い勉強になりました。カタイ話ですみませんでした。