前回の「インバウンド」に続いて、今回は「シュールな」を取り上げてみたいと思います。

 これも当・吉祥寺MCS英会話スクールのとあるシニアの生徒様からの質問がキッカケです。もともと「シュール」はフランス語で"sur"と書くようですが、この言葉を初めて聞いた時、私は学生時代に美術史だか文学史だかで習った「シュールリアリズム(surrealisme)」という語を思い出しました。確か画家のダリなどの作風を表す「超・現実主義」といった意味だったと記憶しています。今回調べてみたところ、「シュール」という言葉は「シュールリアリズム」の略語だということが判明しました。

 で、肝心の意味ですが、本来的には「超現実的な」とか「現実離れした」というような意味だったものが、いつのまにか「奇抜な」とか「難解な」、さらには「(凡人には理解しにくい)高度な」という意味にまで及んでいるようです。例えば「シュールなギャグ」と言った場合には「難しくてとっさには理解できない高度なギャグ」、「シュールな趣味」と言った場合には「人とは違った奇抜な趣味」という感じでしょうか。これを英語に訳すならば、"starnge"(変な・奇妙な)、"eccentric"(風変わりな・常軌を逸した)になりそうです。

 最近よく使われる横文字言葉のやっかいな点は、このように英語以外の言葉が語源であるものが多いことです。何となくわかったふりをして使っている若者に悪影響されないで、シニアの皆様には正しい日本語を使っていって頂きたい、それが私の切なる願いです。

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