今回はくだけた内容で書かせて頂きます。
私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様は絶対に使いそうもない「ヤバイ」と「マジ」。英語で表現するとどうなるでしょうか?まず語源の話から。
◆「ヤバイ」・・・・・2つの説があります。1つ目は「厄場」で、江戸時代の隠語で「牢屋」を指します。2つ目は「矢場」で、江戸時代の「射的場」。ここでは売春などの違法行為も行われていました。どっちにしても、「法に触れるような危険な場所」を指します。そこから「危険な・危ない」の意味になったわけです。
それを英語で言うと、"dangerous(危険な)"、"terrible(ひどい・サイアクな)"、"too bad(悪すぎる・まずい)"、"a problem(問題だ)"などが考えられます。
ところが最近では、それと真逆の意味でも使われていますね。こちらの方は、"great(すごい)"、"delicious(美味しい)"、"amazing(驚くほど素晴らしい)"、"so cool(とてもイカシテる・かっこいい)"などになると思いますが、最近注目されているのは"awesome(オウサム)"という言葉です。もともとは「畏怖の念を抱かせるような・うやうやしい」という意味なのですが、最近では「素晴らしい」の意味が主流です。アメリカ人の友人いわく、「出来事でも食べ物でも、何にでも使う」とのことです。ただ、「ヤバイ」本来の「危険な・ひどい」方の意味には使わないそうです。
◆「マジ」・・・・・これは「真面目」から来ているとわかりますね。江戸時代の芸人の楽屋言葉が一般にも広まったとのことで、昔からあった言葉のようです。
英語で言うと、"serious(まじめな・深刻な)"、"sure(確かな)"、"for real(本気の・本物の)"や、"very(非常に)"、"really(本当に)"などがこれに当たるでしょう。特徴は形容詞と副詞の両方に使われることです。
◎使用例もあげてみます。
①My wallet is missing!→Are you sure? That's too bad!
(財布がない!→マジ?それはヤバイよ。)
②This pizza is awesome/amazing!(このピザ、ヤバイよ!)
③That place is really/very dangerous! You mustn't go.
(あの場所はマジでヤバイよ。絶対行っちゃダメだよ。)
④I'll quit this job.→Are you serious?→Yes, I mean it.
(この仕事やめるわ。→マジ?→ええマジよ。)
⑤His new song is so cool! I must download it.
(彼の新曲ヤバイわよ。ダウンロードしなくっちゃ。)
※"I mean it."は、「私は本気だ。」という有名な表現です。
こうしてみると「ヤバイ」も「マジ」も実に幅広い用途がありますね。
⑥You have to study for real. Otherwise, it'll be a problem.
(マジで[真剣に]勉強しなくてはいけません。そうでないとヤバイですよ[問題になりますよ])。
A:Their pancakes are awesome! It's a must-eat.
(あそこのパンケーキ、ヤバイわよ。絶対食べて。)
B:Are you sure?
(マジ?)

A:Yes. But it's really crowded.
(ええ。でもマジで混んでるけど。)
B:Did you line up for a long time?
(長時間並んだの?)
A:Yes. About 2 hour.
(ウン。約2時間ね。)
B:Oh, that's terrible! You are a very idle person.
(そりゃヤバイわ。あなたマジでひま人ね。)
"idle"は「仕事をしていない・暇な」という意味で、アイドルスターの"idol(アイドル・偶像)"と発音が同じですが、意味は全く違います。



