今回も、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様からの質問に基づいてお話しさせて頂きます。
テーマは、英会話の超基本である"Is there ~?"と"Are there ~?"、つまり「ありますか?」なのですが、これは簡単なようで実は奥が深いのです。
まず次の例文を見て下さい。
① Is there a post-office near here? (この近くに郵便局はありますか?)
② Are there any post-offices in your town? (あなたの町には郵便局はありますか?)
①は、郵便局を探している人が聞く質問で、「ひとつあれば事足りる」状況です。②は一般的な質問で、「ひとつでもいくつでも、とにかくあるのか?」を聞きたい状況になります。
③ Is there a vegetable-compartment in the fridge? (その冷蔵庫に野菜室はありますか?)
④ Are there any eggs in the fridge? (その冷蔵庫に卵はありますか?)
③も、①と同じように「ひとつあれば事足りる」とか「あったとしてもせいぜいひとつ」を前提にしています。④は「卵が切れていたら困るので、あるのかないのかを知りたい」状況になります。もしこれを"Is there an egg in the fridge?"と言うと、「卵はひとつ(だけ)あるのですか?」というニュアンスになります。
では、この文はどうなのでしょうか?
⑤ Are there some eggs in the fridge?
これは日本語にすれば④と同じになりますが、「(卵がある事を期待・予想して、)ありますね?」という気持ちがこもっています。
なぜなら、"any"は「いくつであろうと、とにかく」という意味を持っているのに対して、"some"は「いくつかの・なにがしかの」という意味だからです。
◆次に「ビール」のように〔数えられない名詞〕でも考えてみましょう。【この場合"Are there ~?"は使えません】
⑥ Is there any beer in the fridge? (冷蔵庫にビールはありますか?)
⑦ Is there some beer in the fridge? (冷蔵庫にビールはありますよね?)
⑥は「在庫チェックをしたい」ニュアンスですが、⑦は「ビールが飲みたいんだけど、確かあったよね。」というニュアンスでしょうか。
なお、"any"も"some"も付けないで"Is there beer・・・・?"という言い方は文法的にはできません。"any"や"some"は〔数えられる名詞〕の"a"に相当する語だからです。
※なお、「期待を込めて」質問する場合にも、"some"でなく正攻法の"any"を使うことがあります。むしろ⑤や⑦は少々まれな使い方だと言っていいでしょう。
A: Is there a Lost-and-Found in this department-store?
(このデパートには遺失物取り扱い所はありますか?)
B: No. But please go to the reception anyway.
(いいえ。でもとにかく受付に行って下さい。)

A: Excuse me. My pink purse is missing.
(すみません。私のピンクのポシェットが無くなったんです。)
C: Is there any cash in it?
(その中に現金は入っていますか?)
A: No.
(いいえ。)
C: Well, are there any valuables?
(では何か貴重品はありますか?)
A: Yes. There are a few credit-cards.
(はい。2~3枚クレジットカードが入っています。)
"purse"は「財布」「小銭入れ」「ポーチ」など色々な意味を持ちますが、女性が愛用する「肩ひものついたポシェット」も含みます。
"Lost-and-Found"とは、「遺失物取り扱い所」や「お忘れ物係」を指す有名な言葉で、ぜひ知っておきたい単語ですね。
いよいよ待ちわびた春がやってきました。《吉祥寺MCS英会話スクール》では、ご希望に応じて「初めて習うシニアのためのクラス」を開講予定です。
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