"Be  quiet."(静かにしなさい)は有名な英語(命令文)ですね。でもなぜ"Be"という語が必要なのか?という点に関しては、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様に限らず、今ひとつよくわかっていない方が多いような気がします。

◎まず《命令文》の確認から入ってみましょう。

 《命令文》とは「~しなさい」「~して下さい」といった意味の文で、主語を使わずいきなり〔動詞〕から始まる文です。(目の前の相手に向かってしか言わないため、主語は要らないわけです。)

①Sit  down./Stand  up. (座りなさい・座って下さい/立ちなさい・立って下さい。)

※ここで気をつけて頂きたいのは、「命令文」という呼び方に惑わされて、相手に強いインパクトを与えてしまうのではないか、と考えている日本人が多いことです。言い方や顔つき次第で十分ソフトに伝わるということを理解して下さい。【なお、"please"を文の先頭か後ろに置けば、「どうぞ~して下さい」という更にソフトな伝わり方になります。】

◎そして、この《命令文》の前に"Don't"をかぶせたのが《否定命令文》で、「~するな」「~しないで下さい」という意味になります

②Don't  sit  down./Don't  stand  up.(座るな・座らないで下さい/立つな・立たないで下さい。)

※この場合もやはり、言い方や顔つき次第で伝わり方を調整することができます。"please"に関しても上と全く同じです。

◆さてここでいよいよ"Be  quiet."のお話しです。"quiet"は「静かな・おとなしい」という意味の〔形容詞〕ですね。ですから、相手に静かにしてほしい時に単に"Quiet."とだけ言っても、相手には「静かな。」という意味にしか受け取ってもらえません。

 そこで「命令文はいきなり〔動詞〕から始める」というルールを思い出して下さい。"be"「~である・~になる」という意味を持つ〔Be動詞〕の原型です。(通常〔Be動詞〕は(現在形では)"am/is/are"の形を取りますが、《命令文》の時は"be"という原型を使います。)この"Be""quiet"の前に置くことによって、相手に「静かであれ・あって下さい」とか「静かになれ・静かになって下さい」と伝えることができるわけです。

 この時、「しずかにしなさいして下さい」と訳し変えるのは、我々日本人側がセンスで工夫しなければなりません。以下の例文もチェックしてみて下さい。

③Be  good.(良くありなさい・良くなりなさい→いい子にしてなさい。)

④Be  careful.(注意深くありなさい・なりなさい→注意して下さい。)

⑤Boys!  Be  ambitious!(青年よ!野心的であれ。→大志を抱け。)

⑥Please  be  kind  to  old  people.(どうかお年寄りには親切にしてあげて下さい。)

⑦Don't  be  late.(遅くあるな・遅くなるな→遅れないで。)

⑧Don't  be  so  nervous.(そんなに神経質であるな・になるな。→そんなに緊張しないで。)

 このように、"be"を使う《命令文》の場合には和訳するときのセンスも必要なわけです。

◇最後に、"Be"の後に〔形容詞〕でなく〔名詞〕が来る例も紹介しておきましょう。

⑨Be  a  man.(男であれ・男になれ。→男らしくあれ。)

⑩Please  be  my  guest  here.(どうぞここでは私のお客であって下さい・になって下さい。

                →どうぞここは私にご馳走させて下さい。)

【※⑩の文は「ここのお勘定は私が持ちます」という時の有名な表現です。】


S: Judy  and  Laura  always  diss  me.  I  hate  them.

     (ジュディとローラはいつも僕を馬鹿にするんだ。大嫌いだ。)

M: Don't  say  that.

      Be  kind  to  them  and  they  will  change.

     (そんな事言わないの。

  彼女たちに優しくしてあげなさい。そうすれば変わるわよ。)

S: No,  I  can't.  I  will  revenge  sometime.

     (嫌だよ。無理だよ。いつか仕返ししてやるんだ。)

M: Don't  be  stupid!  Girls  are  weaker  than  boys.

     (バカなこと言わないで!女の子は男の子よりも弱いのよ。)

S: That's  wrong.  Because  you  are  stronger  than  Dad.

     (それは嘘だよ。だってママはパパよりも強いじゃないか。)


 "diss"という動詞は最近の若者がよく使う「ディスる」で、元々は"disrespect"(否定する・バカにする)の省略形です。ラップミュージックの歌詞に使われてから流行語になって、今では新造語として辞書にも載るようになってしまいました。

 "stupid"は「バカな・愚かな」という意味、"wrong"は「誤った・間違った」という意味の形容詞です。


◆いよいよ春らしく暖かくなってきましたね。

 「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様は、ほぼ全員が3回目のワクチン接種を終えたようです。だからといって油断は絶対禁物ですが、シニアの皆さま、そろそろ少しずつ街へ出てみませんか?《初心・初級者クラス》へのお問合せもポツポツ出始めました。

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