暑い夏が去ってホッとしたのも束の間、今度はいきなり秋を通り越して冬に突入してしまったかのようですね。シニアの皆さま、お風邪など召されていませんか?
さて今回は、前回の《シニアお役立ち英会話》の続編です。
私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様から、「中学生の時に"some"は〔肯定文〕で使い、"any"は〔疑問文〕と〔否定文〕で使うと教わりましたが、現実ではそうなっていませんよね」と、するどい指摘を受けることがあります。ここでは、《疑問文の中で使う"some/something》のお話しをさせて頂きます。
まず下の例文を見て下さい。
① Do you have some good ideas? / ② Do you have any good ideas?
どちらも和訳すると「何か良い考え(アイデア)はありますか?」となりますが、深い所で意味が微妙に違います。①は「何らかの・いくつかの良い考えがあるか?」というニュアンスなのに対して、②は「何でもいいので・ひとつでも良い考えがあるか?」のニュアンスです。
③ Did you eat something this morning? / ④ Did you eat anything this morning?
やはりどちらも「今朝何か食べましたか?」ですが、③は「何か朝食を食べたか?」というニュアンスなのに対して、④は「何でもいいので・少しでも食べたのか?」のニュアンスになります。
一般に、〔疑問文〕の"some"は「いくつかの・いくらかの」と言う意味を持ち、"any"は「ひとつでも・すこしでも」という意味を持つとされていて、"some/something"を使うときは「相手の答えが"Yes"である事を予想・期待しているとき」、"any/anything"を使うときは「相手の答えを予想も期待もせずに淡々と事実を聞き出すとき」と説明されます。
ですから、①と③の文を訳し変えると「何か良い考えがあるんじゃないですか?/何か食べたんじゃないですか?」という感じで、②と④を訳し変えると「何か良い考えはありませんか?/何か食べなかったのですか?」という感じでしょうか。
さらに言えば、②と④は「どんな小さな事でもいいから、何かいい考えがありませんか?/ポテトチップス2・3枚でもいいから、何か食べませんでしたか?」的な「厳しさ」を感じる質問だと言ってもいいかもしれません。
もう少し例文を紹介してみましょう。
⑤ Do you need some help? (何か助けが必要ですか?【助けてあげましょうか?】)
⑥ Do you need any help? (何か助けが必要ですか?【どんな事でもいいけど、助けが必要ですか?】)
⑦ Does he know something about it? (彼はそれについて何か知っていますか?【知っているんじゃないかなぁ?】)
⑧ Does he know anything about it? (彼はそれについて何か知っていますか?【どんなことでもいいから何か知らないかなぁ?】)
⑨ Would you like something to drink? (何か飲み物はいかがですか?)
⑩ Would you like anything else? (他には〔ご注文は〕ございませんか?)
★レストランなどのオーダーの時、ウェイトレスが"anything to drink"と言わないのは、お客様に"Yes."の答えを期待しているからですね。逆に、最後に"Anything else?"と言うのは、最後の念押し確認だからなのです。
◆"some"と"any"の使い分けは、英語の中でも最高級に難しい問題です。説明されて納得するのではなく、経験を通じて感覚的に会得するしかありません。以上のカタイ説明を読んでよくわからなかったとしても、気にしないで下さい。
D: Did you see anything in the park last night?
(昨夜公園で何か見ませんでしたか?)
W: Yes. I saw a tall man standing under the tree.
(はい。背の高い男が木の下に立っているのを見ました。)
D: What was he doing there?
(彼はそこで何をしていたのですか?)
W: I don't know. He was holding something in his arm.
(わかりません。彼は腕に何かを抱えていました。)
D: Really? Did you see anything else?
(本当ですか?他には何も見ませんでしたか?)
W: No. That's all.
(いいえ。それだけです。)
Dは"detective"(刑事)、Wは"witness"(目撃者)の略です。1行目と5行目の"anything"は、"anybody"(誰か)に言いかえてもOKです。上で説明したことは、"somebody/anybody"(誰か)および"somewhere/anywhere"(どこか)についても当てはまりますので、応用してみて下さい。
緊急事態宣言も撤回されて、吉祥寺の街も賑わいを取り戻しつつあります。まもなくクリスマスイルミネーションも点灯されます。
「吉祥寺MCS英会話スクール」では、初めて英会話を習うシニアの方のための《入門・初心者クラス》《初級者クラス》をオープン予定です。何か物事を始めるにはよいこの季節、久しぶりの気分転換もかねて、一度ご見学に起こしになってみて下さい。ご見学・ご体験はもちろん無料です。