昨年あたりから急に話題に上るようになった「IR」という言葉について少し書いてみたいと思います。

 先日、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様から「IRってカジノのことなんですか?」という質問が出されましたが、そうではありません。「IR」"Integrated Resort"の略語で、「統合型・複合型リゾート」と訳されます。この"integrated"という形容詞は、まさに「統合された・ひとつにまとめられた」という意味です。つまり、色々な種類のリゾート施設、例えばホテル・カジノ・劇場・ショッピングセンター・レストラン・スポーツ施設・遊園地などが狭い地域に集まっていて、お客さんを大量に呼び込めるリゾート地区が「IR」なのです。

 単に色々な種類のリゾート施設が集まっているだけの場所なら、例えば「東京ディズニーリゾート」とか「お台場地区」とかそれに近いものは今でもあるわけなんですが、カジノだけは今の日本では法規制があってどこにも入っていません。ここがミソなのです。実は、現在ある代表的な「IR」のラスベガスやマカオなどは、カジノこそがそのメインなわけです。そこで日本でも法規制を変えてカジノを作ることにしよう、という計画が2016年(平成28年)から動き出しました。ですから、「IRと言えばカジノ」とイメージしてしまうのは何もシニア層に限ったことではないと思います。 

 ところで、この"integrated"という言葉ですが、実はずっと以前から私たちの身近で使われてきました。ほとんどの方は気づかないでしょうけれど、コンピュータ用語として使われていた「IC」"integrated circuit"の略語だったのです。【これは日本語では「集積回路」と訳されます。】さらに、最近注目を集めるようになった言葉として"integrated society"という言葉もあります。動詞の"integrate"には「人種を統合する」という意味もありますから、"integrated society"は「人種差別や宗教差別をしない社会」ということになります。昨今何かとスキャンダラス("scandalous")な話題になっている「IR」ではありますが、こんなリベラル("liberal")な意味を持つ言葉が使われているのです。【ちなみに"liberal"は「自由主義的な・進歩的な・寛大な・偏見のない」などの意味を持つ言葉です。】

 さて、この「カジノ」。私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」の生徒様達は、女性が多いこともあってか、ほぼ全員が反対のようです。さて、どうなりますか・・・・・