先日の大阪なおみ選手の「全米オープンテニス」優勝の大快挙以来、連日のようにテレビで耳にする「グランドスラム」という言葉。英語では"Grand Slam"と書きます。
そもそもこの言葉は、トランプゲームのひとつ「コントラクト・ブリッジ」での完勝を意味するところから、スポーツ界にも転用されたものです。具体的にはテニスとゴルフで使われます。テニスにおいては、「4大大会【全豪オープン/全仏オープン/ウィンブルドン選手権/全米オープン】の全てを1シーズンの内に制覇する事」を指し、ゴルフにおいては、「4大大会【全米オープン/全英オープン/全米プロゴルフ選手権/マスターズ】の全てを1シーズンの内に制覇する事」を指します。
ただしここで注意が必要なのは、テニスにしてもゴルフにしても、4大大会の個々の大会も「グランドスラム」と呼ばれるようになってきている事なのです。そこで、「優勝」と「達成」を区別しているのです。例えば、大阪なおみ選手は「(1つ目の)グランドスラム優勝」と言ってもいいのですが、残りの3大会ではまだ優勝していませんから、「グランドスラム達成」ではありません。
そしてもう一点付け加えなければならないことは、「グランドスラム達成」とはあくまで「1シーズンの内に、つまり1年度の内に」という条件が付いている事です。もし、1月に開催される「全豪オープン」から8・9月に開催される「全米オープン」までの4大大会に連続して優勝すれば、見事「(年間)グランドスラム達成」となりますが、足かけ2年にわたって連続優勝した場合には「ノン・カレンダー・イヤー(non-calendar-year)グランドスラム達成」と呼ばれて、また少し違った物になるのです。
なお、連続でなく、また何年かかってもいいので、選手生活の内に4大大会に全て優勝する事は「キャリア(career)・グランドスラム達成」と呼ばれます。(ここで言う"career"は「生涯」という意味です。)一口に「グランドスラム」と言っても、結構複雑なんですね。
※オマケですが、野球の「満塁ホームラン」の事も「グランドスラム」といいます。
◆Otani hit a grand slam. (大谷は満塁ホームランを打った。)
テニスの大阪なおみ選手にしても、大リーグの大谷翔平選手にしても、水泳の池江璃花子選手にしても、日本の若者の大活躍は、日本全体を元気にしてくれる本当に嬉しいニュースです。
私も含め、シニアも頑張らねばなりません!「夏の疲れが・・・」などと言っている場合ではありません!