今回は、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様によく見られる、「まちがえやすい和製英語」について取り上げてみましょう。以下に紹介する英語は、シニアに限らず多くの日本人が勘違いしているものだと思います。
(1)「ナイーブ」(naive)
"naive"には、①「世間ずれしていないウブな・素朴な」、②「世間知らずの/幼稚な」という2つの意味がありますが、実際に使われているのは、②の悪い意味の方が主流です。「バカな」くらいの意味さえあります。
ほとんどの日本人は「繊細な/傷つきやすい」の意味で使っていますが、それを言うなら"sensitive"がふさわしいでしょう。
まちがっても"You are naive."などと言ってはいけません!
(2)「タフ」(tough)
"tough"は、「頑丈な/不屈の/手強い」の意味です。確かに「体力がある・強い」という意味合いで、"He is a tough guy."のように使われることもありますが、実際には「人」ではなく「物」に対して使うことが主流です。
例えば"tough work"や"a tough schedule"のように、「簡単にはいかないキツい」様子を表します。"hard"に近いですね。
また、「肉が固い」時も、"This is tough meat."と言います。食べ物には"hard"は使いませんので、覚えておいて下さい。
(3)「ムード/ムーディー」(mood/moody)
これは誤解の多い言葉です。"mood"は「気分・機嫌」、その形容詞の"moody"は「気分屋の・不機嫌な」という意味です。
例えば、"She is in a bad mood now."(今不機嫌だ・虫の居所が悪い)のように使います。
「ムードのある・雰囲気の良い」と言いたい場合は、"The restaurant has a good atmosphere."のように"atmosphere(雰囲気)"という言葉を使って下さい。
(4)「リフォーム」(reform)
シニア層の話題に多いのが「リフォーム」です。これも典型的な和製英語で、正しくは"renovate"または"remodel"を使います。
"reform"は「制度や組織を改革・改変する」というカタイ意味で、例えば「働き方改革」のことを"reform working conditions"と言ったりします。「キッチンをリフォームしたい」なら"I'd like to renovate the kitchen."。
「今リフォーム中」なら"My kitchen is under renovation now."と言いましょう。
(5)「クレーム」(claim)
「クレーム(を付ける)」というと、ほとんどの日本人は「文句を言う・苦情を言う」だと思ってしまいますね。ところが"claim"は「請求する・要求する」という意味なのです。
例えば買った品物が不良品だったとします。お客様が「これ不良品ですよ!交換(返金)して下さい!」と怒っています。この「交換(返金)して下さい」の部分は"claim(請求)"です。ところが争いごとを嫌う日本人は、「これ不良品ですよ!」と怒っている部分が刺さってしまって「お客様が文句・苦情を言っている」と捕らえてしまうのです。ですから「文句」と「請求」は分けて考えなければいけません。「文句を言う」は"complain"と言います。
◆She claimed for a change./for a refund.(交換を/返金を請求した。)
◆She complained about the product.(製品に文句を言った。)
ちなみに、「お客様の苦情」の事を"customer complaint"("complaint"は名詞形)、「文句を言う人」は"claimer"ではなく"complainer"と言います。
(6)「ロケーション」(location)
これはおそらくシニア層に特有の誤解だと思います。"location"の意味は「立地・位置(取り)」で、シニアの多くがイメージしている「眺め・眺望」の意味は全くありません。多分、「富士山が見える高台のロケーション」とか「湖を見渡す絶好のロケーション」などという不動産業者や観光業者の宣伝文句が刷り込まれてしまって、いつのまにか「ロケーションが良い=眺めが良い」だと勘違いしてしまっているのだと想像します。「都心まで50分の便利なロケーション」や「スーパーや病院に近い理想的なロケーション」などは正しい使い方です。若い人は正確に理解しているように思います。
◆We'd like a hotel with a good location.(立地の良いホテルが希望です。)
◆We'd like a room with a nice view.(眺めのいい部屋が希望です。)
A:She looks like a charming lady.
(彼女って魅力的な女性に見えるね。)
B:No! She is very moody and selfish.
(ちがうよ!彼女はすごく気分屋でわがままなんだよ。)

A:Oh, is she?
(えっ、そうなの?)
B: Yes. I hear she always makes a customer complaint at every shop.
(ウン。どこのお店でもいつもクレーム付けてるんだそうだよ。)
A:Unbelievable. I need to change my view of her.
(信じられないなぁ。彼女に対する見方を改めなくちゃ。)
実は"charming"も誤解の多い言葉です。「かわいい」だと思われがちですが、見かけよりも内面的に「魅力がある・感じのいい」ことを表したり、美人でなくても「愛嬌がある」人に使います。ます。"change my view"の"view"は、「眺め」ではなくここでは「見方・視点」の意味です。



