先日の「吉祥寺MCS英会話スクール」のレッスンで、シニアの生徒様からこのような質問を受けました。
「『いい人』は"a good person"ですか?"a nice person"ですか?」
今日は、"good"と"nice"の違いと、もうひとつの「いい」の"OK"についてお話ししてみたいと思います。
◆まずは"good"と"nice"の違いから
① He is a good person.・・・・・客観的に見て「質が良い人」【例えば家柄・能力など】
② He is a nice person.・・・・・主観的に見て「いい人」【例えば性格・人柄など】
ですから、「あいつはいい奴だ」とか「あの娘はいい子だ」という時は"good"でなく"nice"がふさわしいと思います。
また、"nice"には「素敵な」という意味もあります。
③ He is wearing a good shirt.・・・・・高級品でモノが良いシャツ
④ He is wearing a nice shirt. ・・・・・オシャレで素敵なシャツ
◆そして、もうひとつの「いい」が"OK"なのですが、こちらはなかなか奥が深い言葉です。
⑤ Can you help me?→OK. (いいよ。)
⑥ I'm sorry.→That's OK. (いいですよ/構いませんよ。)
この使い方は日本人全員が知っている「了解・承諾」の"OK"ですね。ところが下の例はどうでしょう。
⑦ Do you like coffee?→It's OK. (いいけどね/まあまあです。)
⑧ Would you like some coffee? →I'm OK now. (今はいいです/結構です。)
★このように、"OK"にはあまり前向きでない「いい」の意味も含まれます。もっと言えば、言い方や顔付き次第では否定的なニュアンスも持ちうる言葉なのです。
⑨ Shall we go hiking tomorrow?→I'm OK. (僕はいいよ/やめとくよ。)
そういえば日本語でも断る時に「いいです。」と言いますね。
まとめると、「"OK"は言い方や顔付きによって"good"や"nice"から"no good"や"bad"までの全ての段階を表せる言葉」だと言えそうです。
⑤の例文のように、"OK."とだけ言う時以外は大体中間的なニュアンスを表すと思っておいた方が無難でしょう。
⑩ It's good to try it. (やってみるのは良い事だ。)
⑪ It's nice to try it. (やってみるのは面白そうだ。)
⑫ It's OK to try it. (やってみても悪くない。)
A: Is it OK to invite 2 of my co-workers to the BBQ?
They are nice girls.
(バーベキューに同僚を2人誘ってもいいかしら?いい子達よ。)
B: Of course. It's good!
(もちろんだよ。それはいいね!)
A: Thank you. Shall I bring something to drink?
(ありがとう。何か飲むもの持って来ましょうか?)
B: It's OK. I have bought a lot.
(それはいいよ。沢山買ってあるから。)
A: Well, how about my handmade 'gyoza'?
(じゃあ、お手製の餃子はどうかしら?)
B: Wow, it's very nice! You must bring it!
(ワァ、そりゃ最高だ。絶対持ってきて!)
実は"I'm good."や"I'm all right."にも、"I'm OK."と同じように「私は結構です。」の意味があります。コンビニで「レジ袋は?」と聞かれた時に「大丈夫です。」と答える人が多いのと同じですね。言葉というものは使う単語以上に「言い方」に左右されるものですが、"OK"や"good"などはその最も代表的な例なのです。