新年明けましておめでとうございます。

 今年の干支は「うさぎ」ですね。そこで今回の《お役立ち英会話》では、新年恒例の「干支(うさぎ)にちなんだ英語表現を紹介してみたいと思います。

 まず、「うさぎ」は英語で"rabbit"だということは皆さんご存じですね。でも他にも"hare"(ヘア)や"bunny"(バニー)という言い方もあります。

 "rabbit"は一般に「アナウサギ」を指し、私たちの身近にいる種類のウサギがこれになります。飼育用のウサギもこれが品種改良されたものです。"hare"の方は「ノウサギ」を指し、アナウサギが穴を掘って巣を作るのとは対照的に、森の中の茂みに巣を作って単独行動をとります。"hare"の方が"rabbit"よりも大型で耳が長目なのだそうです。(白いのが"rabbit"というわけではありません。茶色やブチの"rabbit"も沢山います。)とは言っても、最近では両者を厳密に区別することはなくなってきていて、"rabbit"でまとめてしまってよいという説明もあります。

 "bunny"という言葉は一種の幼児言葉で、さしづめ「うさちゃん」という意味になります。種類には関係ありません。

 さて、前置きが長くなってしまいましたが、有名なことわざの「二兎を追う者一兎を得ず」を英語で言うとどうなるか紹介しましょう。

①If  you  run  after  2  hares,  you  will  catch  neither.

"neither"は否定の意味を持つ語で、「どちらも~ない」という意味です。そしてこれは"run  after""chase"に、"hares""rabbits"に変えて言ってもOKです。実はこのことわざは西洋が発祥で、それを和訳したものなのです。(そういえば、有名な「兎と亀」のお話しもイソップからの出典です。)

 さらに、"rabbit"を使った以下のような表現もあります。

②She  is  as  timid  as  a  rabbit. (彼女は兎のように臆病だ。)

 これは「非常に臆病だ」という意味で、兎は臆病な動物だと受け取られていることがわかりますね。

 また"rabbit  (on)"には「だらだらと不平を言う」という〔動詞〕があります。

③He  is  always  rabbitting  on  about  his  small  salary. (彼はいつでも給料が安いと不満たらたらだ。)

 それでは、以下の文はどんな意味になるのでしょうか?

④Don't  go  down  the  rabbit  hole.   We  should  return  to  the  original  theme.

 "go  down  the  rabbit  hole"(兎の穴に落ちる)という表現は、「不思議の国のアリス」から生まれた表現で、「戻れない道に進む」とか「本題からそれる・逸脱する」という意味なのだそうです。ですから、この文を訳すと

「本題からそれるな。我々は本来のテーマに話を戻すべきだ。」となります。

 さらに面白い例をもうひとつ。

⑤We  count  on  him.   He  could  pull  a  rabbit  out  of  a  hat.

 "count  on  ~ "は「~に期待する」の意味です。では、「帽子から兎を引っ張り出す」とは一体どういうことなのでしょうか?

このイディオムは「手品師が帽子から兎を出す」シーンに由来しています。そこから「奇跡を起こす」とか「思いがけない解決法を生む」という意味になります。全文を訳すとこうなるでしょうか。

「私たちは彼に期待している。彼なら奇跡を起こして(苦境を打開する良い方法を見つけて)くれるかもしれない。」

 それでは最後に「ぴょんぴょん跳ねる」を英語で言うとどうなるか、を付け足しておきましょう。これには"jump"よりも"hop"の方がピッタリします。なぜなら、"jump"は「勢いをつけて大きく跳ぶ」であるのに対して"hop"は「小刻みに小さく跳ねる」感じだからです。

⑥A  rabbit  is  hopping  around  on  the  lawn. (兎が芝生の上をぴょんぴょん跳ね回っている。)

 いかがでしたか。今年は「ウサギ」にちなんで飛躍の年にしたいものですね。

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