新年明けましておめでとうございます。

 新型コロナウィルスの感染拡大で、あまりおめでたい気分にはなれませんが、今年こそは穏やかな日常が戻ってくることを祈ってやみません。

 今年は丑年。新年恒例で、今回は「牛」にちなんだ英語を紹介してみたいと思います。

 「牛」は"cow"ですが、実は"cow"は雌("female")の牛、つまり牛乳をしぼるための「乳牛」を指す言葉です。では雄("male")の牛は何というのでしょうか?これまた2種類に分かれます。去勢されていない雄牛は"bull"、去勢された雄牛は"ox"といいます。

 日本では「去勢("castration"、動詞は"castrate")」の文化・習慣が全くなかったため、違和感を覚える人も多いのですが、西欧諸国では家畜を扱いやすくするために古来から広く行われていました。そこで、去勢されているかいないかによって全く別の単語が当てられています。なんだか、人間の都合によって繁殖能力をそがれてしまうなんて、かわいそうな気がしますね。

 なお、「家畜としての牛・畜牛」一般をさす名詞として"cattle"という単語もあります。(雄/雌問わず。もっとも大半は"cow"ですが。)

※ちなみにスペインで盛んな「闘牛」は"bull-fight"といいます。去勢されたおとなしい牛では使い物になりませんから、"bull"なわけです。

◆牛は洋の東西を問わず、昔から人間と関わりの深い動物です。ですから英語の表現やことわざの中にも多く使われているようですが、"bull"とそれ以外の"cow""cattle""ox"では明らかに扱いが変わってきます。

 いくつかの英文を書いてみましょう。

He is like a bull in a china shop. (彼はがさつ者だ。)

  ※"a china shop"とは「陶器屋」のことで、その店内に"bull"がいるわけですから、いかにも商品を壊してしまいそうですね。そこから「不注意ながさつ者」の意味が出てくるわけです。

We have to take the bull by the horns. (我々は恐れずに困難に立ち向かわねばならない。)

  ※これは結構有名な言い回しで、直訳すれば「牛の角をつかむ」ですからこういう意味になるわけです。

He is as strong as an ox. (彼は非常に頑健だ。)

  ※直訳は「彼は牛と同じぐらい強い」です。(参考までに"ox"の複数形は"oxes"ではなく"oxen"です。)

You can stay here until the cows come home. (気のすむまでここにいてもいいですよ。)

  ※これは面白い表現ですね。直訳すれば「牛たちが帰ってくるまで」となります。乳牛たちは、昼間は長い時間ずっと草原で草を食べ続けていて、夕方になると牛舎に帰ってきて搾乳されるわけです。したがって「ずっと長い間、気のすむまで、とことん」という意味になります。【"until""till"で言ってもOKです。】

A bee stung a horn of a cow. (痛くもかゆくもない。)

  ※"stung""sting(刺す)"の過去形です。つまり「蜂が牛の角を刺した」の意味で、そこから「痛くもかゆくもない」という意味になります。


 丑年は「我慢の年」「発展の前触れになる年」ともいわれるようです。「ジッと我慢」の中に次なる希望が見いだせる一年になってほしいと、心から祈っております。

シニアの皆様!Let's stay positive!