先日3月28日付けのブログ「日々雑感」で、"You must stay home."の話を取り上げました。これは、イギリスのボリス・ジョンソン首相が国民に外出自粛を呼びかけたときの演説の中の一文でしたが、私はそこで「"must"は【~しなければならない】という意味ですが、"have to"と少し違って「他人からの強制力が込められた命令的なニュアンスを帯びる」という説明をさせて頂きました。つまり、"must"は押しつけがましく聞こえるので、日常の会話では"have to"をメインに使えばよいという主旨の話だったわけです。
今回は、その事とも関連した"should"のお話をしたいと思います。私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの(中級以上のクラスの)生徒様からよく頂く質問があります。「"should"は【~するべきだ】と学生時代に習いましたが、【~した方がよい】の"had better"で言ってもいいのですか?」というものです。
確かに私の記憶でも、中学・高校時代に「"should"は【~するべきだ】の意味で、"had better"は【~した方がよい】の意味」だと教えられました。そして何となく、"had better"の方が"should"よりも柔らかく伝わるイメージを持っていたものです。ところが、ネイティブの友人からのアドバイスや、最近の文法書の説明によって、"had better"は相手にプレッシャーをかけてしまう結構強い意味の言い方だということがわかりました。イメージは真逆だったのです。
例えばの話ですが、刑事が取調室で容疑者に向かって「おい、全部正直にしゃべった方がいいぞ。(でないとブタ箱行きになるぞ)」と言う時のような少し脅しめいたニュアンスが"had better"にはある、と思ってもいいかもしれません。それと同時に、"should"こそが私たちの言う【~した方がよい】に一番近い言い方だということもわかってきました。
★そこで結論です。"should"は【~するべきだ】だけでなく【~した方がよい】の意味もちゃんと持っています。"had better"はこの際忘れて下さい。そして"should"を柔らかく伝えたいときには、"I think"を前に付けて下さい。
◆You must stay home. (あなたは家に居なくてはなりません〔これは私からの要請です〕。)
◆You had better stay home. (あなたは家に居た方がよい〔でないと後で困りますよ〕。)
◆You should stay home. (あなたは家に居た方がいい〔これは私からのアドバイスです〕。)
◆I think you should stay home. (あなたは家に居た方がいいと思いますよ。)
A: Can you go shopping for some food today?
(今日、食料品のお買い物に行ってもらえるかしら?)
B: OK. I will go after work about 4:00. Make the shopping-list.
(いいよ。仕事の後で4時頃行くよ。リスト作っといて。)
A: All right. But you shouldn't go so late.
(わかったわ。でも、そんなに遅い時間には行くべきじゃないわ。)
B: Why? I have an online-meeting from 2:00.
(どうして?2時からオンライン会議があるんだよ。)
A: In that case, you should go just after lunch.
Because supermarkets are not crowded when people are full.
(それだったら、お昼ご飯のすぐ後に行った方がいいわ。
だって、みんなが満腹の時は、スーパーは混んでいないでしょ。)
私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」では、4月・5月のレッスンをすべて休講とし、いくつかのシニアクラスの皆様とオンラインレッスンをさせて頂きました。とはいえ、退屈と戦う日々でした。そして、その間の買い物や食器洗いなどの家事手伝いは、とても良い気分転換になりました。
6月1日から、マスクの着用・部屋の喚起と消毒を徹底した上で、通常レッスンを再開いたします。シニアの皆様、ご自分のご判断によって、出席できる方はぜひお越し下さい。