まもなく「ハロウィーン」(10月31日)ですね。一昔前には大して話題にもならなかったこのお祭りは、ここ数年では一大イベントになっています。吉祥寺も例外ではなく、商店街はカボチャが描かれた垂れ幕やオーナメント(飾り・装飾品)で彩られています。
私が「吉祥寺MCS英会話スクール」をオープンした今から30年程前、ハロウィーンの夜に仮装した数人の外国人達が山手線に乗って都内を回っていた現象が見られました。もしかするとこのあたりから年々エスカレートして行ったのかもしれません。それと、子供相手の英会話スクールがいちはやくハロウィーンを取り入れたことも大きいと思います。
さて、先日、私ども「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様から、「ハロウィーンでよく聞く"Trick or Treat."ってどういう意味ですか?」という質問がありました。この場を借りて簡単に説明させて頂きましょう。
"Trick or Treat."は、本来ハロウィーンの夜に仮装した子供達が家々の玄関先で叫ぶ言葉で、意味は「いたずらがいいか?それとも、もてなすか?」になるでしょうか。つまり、「いたずらされるのが嫌ならば、お菓子をちょうだい。」という事です。ハロウィーンはもともと大昔のケルト人達の宗教行事で、「死霊・悪霊を追い払う必要があるので、死霊(例えばゾンビや魔女)に扮した子供達が家の前にやって来たら、お菓子をやって帰ってもらう」という形になって伝わってきた風習です。その時に子供達は"Trick or Treat."と言ったのです。
ただ、ここで「英会話スクール」的には、2つ注意が必要な事があります。1つ目は"trick"の意味です。"trick"という動詞には、本来「いたずらする」という意味はないのです。本来は「(計略で)人をだます・かつぐ」という意味で、子供が日常行う行為ではありません。ですから、これは"treat"(もてなす・ごちそうする)という語との語呂合わせ的に使われるようになったと考えていいと思います。
もうひとつは、この言葉は省略せずにキチンと言うと、
"Treat me or I will trick you."
となるという事です。意味は「私をもてなして。さもないとあなたにイタズラしますよ。」となります。この"or"は命令文の後に付けると「さもないと」という意味になります。例えば
"Hurry up or you can't catch the train!"
(急いで、さもないと電車に乗れませんよ。)
のように使います。ここで、"trick"と"treat"の順序が逆になっていることにも気がつきますね。
これは、"Treat or Trick."では語呂が悪く言いにくいので"Trick or Treat."にしてしまったという事情があると思います。
HAVE A HAPPY HALLOWEEN!