先日NHKニュースで「外国人のためのやさしい日本語」という話が紹介されていました。これは、急増している外国人旅行者や日本で暮らしている外国人のために、私達が日常使う日本語、特にニュースや接客などに使われる言葉をやさしく言いかえるという動きです。ポイントは、以下の3つでした。
①漢字の熟語はなるべく使わないようにする
②ひとつの文を短くする
③敬語もなるべく避ける
例えば、「高齢化社会が到来している」→「お年寄りが増えている」
「警察署に運転免許の更新に行きました。」→「警察署に行きました。そして新しい運転免許証をもらいました。」
「よろしかったらご試食してみて下さい。」→「食べてみて。」という具合です。
そこで私が感じたのは、「シニアに限らず私達日本人も、この事を英会話に応用するべきである!」ということです。英語には敬語が存在しませんので(ただし丁寧な言い方はあります)③はともかくとしても、②は私が常々「吉祥寺MCS英会話スクール」のシニアの生徒様に助言している大切なポイントです。例をあげてみましょう。
A. I went to Kichijoji to have lunch with my friends.→I went to Kichijoji. I had lunch with my friends.
B. How can I get to the station?→I want to go to the station.
C. Could you help me?→Please help me.
確かに、青い字で書いた方の表現の方がカッコいいのですが、「発音の苦手な日本人にとっては短くてシンプルな言い方の方が相手に伝わる」というメリットがあります。
今後、日本を訪れたり日本で暮らす外国人が増えれば増えるほど、日本語もやさしくシンプルなものへと変化していくと考えられます。私を含め特にシニアの方にとっては、敬語や日本語独特の美しい言い回しが消滅していくことは危機感を覚えてしまう現象だと思いますが、これはある意味言語の宿命なのではないでしょうか。そしてその危機感に最もさらされているのが、国際語と言われる英語なのです。